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THE青ジャージいちばんきれいなものをタダで見せて下さいおよそ200g架空の冒険者オモチャはちらかっている/オグラオグラBOX3枚組

表ジャケット裏ジャケット
OZ OZD-005


いちばんきれいなものをタダで見せて下さい/800ランプ(93年)
    CD
  1. 気の用心
  2. ホ長調「ヒョーヘン」
  3. 7月31日
  4. ラ・ふつかよい
  5. おとの物語
  6. のんきな空
  7. 南口駅前広場
  8. 虹になった青年
  9. ゆうべおそく月の中に
作詞・作曲 オグラ
編曲 オグラ、原めぐみ、てつ、花田金魚
  
てつ
おぐら
てつ
オグラ
花田金魚
原めぐみ
花田金魚 原めぐみ


800ランプの1stアルバム。音楽のことは聴くだけなのでよくわからないが、 青ジャージと比べると、音がかなり厚い。


1. 気の用心
頭の中でリズムをつけて
ひとつの言葉をくりかえし
それをつづけながら
まったく別の考えごとをしてみるのだ
これは ぼくの気に入った
まったくおどけた 狂ったゲームだ
笑うように泣いてみたり
くしゃみをしながら たたかったり


メロディはあるが、詩の朗読のような曲。


2. ホ長調「ヒョーヘン」
歳をとるよりほかに することがないなら
でたらめにハデな 勇気をだすんだ
いろんなひとたちが いろんなことを言うだろう
胃袋のなかにだけ 孤独はあるんだ


1曲目直後から、すぐこの曲が始まる。

心臓むきだして 今夜 ヒョーヘンしよう
前代未聞の夢を おびきだすんだ



3. 7月31日
欲しいもの 奪うために進め
いろんなものを 傷つけながら進め
もう 弁償なんかするな
そこらじゅうに 呪いを 浴びせかけろ

個人的に凄く好きな曲だ。勢い良く始まる曲調とやたらポジティブな歌詞。 あんまり好きだったんで、当時、この曲を主題歌にした映像製作を目論んでいた( 根がネガティブなので脚本を書いただけで終わった)。これが、「30代の挫折」に繋がるのか・・・。

今あること ぜんぶウソになれ
今あること ぜんぶウソになれ
そして 未来をデフォルメしよう
    強さをデフォルメしよう
百花繚乱 百花繚乱 百花繚乱 百花繚乱



4. ラ・ふつかよい
あたりは もう 夏になっていたが
ぼくは 三拍子で 歩きつづけた
♪〜
ん〜わるくない
宿酔いの 頭ん中 オルガンが鳴っている

前の曲ではしゃぎ過ぎたのか、ちょっと二日酔いな気分(笑)。夏の日射しの下を、 ぼくは、残ったアルコールでご機嫌なまま、そこらをブラブラしてみる。

百合のにおい なぜか 強烈になつかしい
風は音も色もなく 未来へと 吹きすすむ
こんな日は なにもかも 台無しにしたくなる
いつの間にか ぼくは 浮遊感を育みはじめた


5. おとの物語
列車は太陽から逃げるようにして
北へ 北へ ひら泳ぎですすむ

昔かいだことのあるにおいがする
人々の言葉も 変わりはじめた

空は夏から秋にうつりかけ。列車に揺られて流れる風景に目をやる。

列車は ガタンゴトン なんて 走らないよ
こんなふうに はしるんだ

おどったり わらったり おどったり わらったり
おどったり わらったり おどったり わらったり
おどったり わらったり おどったり わらったり
おどったり わらったり おどったり わらったり
おこったり どなったり おこったり どなったり
おこったり どなったり おこったり どなったり
くるったり くるったり ゆすったり



6. のんきな空
ああ なんて のんきな空なんだ
ああ なんて のんきな空なんだ
この同じ空の下で 本当に人が死んでるんだろうか?

質屋にあずけたオモチャを取り戻しにでかける。目にする風景は全くのんきな風景ばかり。

ヒコーキは 亡霊のように うんと高くとび
風は 思うさま強くて 今やぼくの髪型は七・三
おばあさんは くつ下を毛玉だらけにして
どこかへ でかけて行く
わずかなひなたを利用して 猫が寝てる
ひなたといっしょに 移動しながら 猫が寝てる


7. 南口駅前広場
駅前ニ 規模ノチイサイ 海ガアル 海ガアル
ソノ海デ 僕ハ 洗ッテル 古イ夢ヲ 静カニ 洗ウ

髪ノ毛ノ 赤イ 若者ハ トテモ 裕福ソウデ
少女ノ顔ガ ナゼカ ユガンデ 見エル

これも一説によると、高円寺駅前の歌らしい。噴水のすぐ近く、地下へ降りると「鬼無里」という居酒屋があった。 そこで酔っ払って惚けた私も、欲にまみれた顔をしていたことだろう。

夥シイ欲ヲ タズサエテ 人々ガ 歩イテク
チミツナ欲ヲ タズサエテ 人々ガ 歩イテク

トガレ 噴水 天マデ トドケ
トガレ 噴水 天マデ ノビテヤレ


8. 虹になった青年
ほこりをもって 身につけたくないものはあるのだが
なにで着飾りたいのか 思い出せない
この駅にも もうあきた
同じだということを 憎まなくては

虹は虹でも、ここでの虹は、「きみ」のエナメルの靴にかかった虹だ。 世俗との距離を警戒していたつもりが、気がつくと自分が世俗の一部になっている。 そして、世俗の中にもきれいなモノがあったりもする。それが本当にきれいなモノかどうかは、自分でたしかめてみないとわかんない。

奇人になりたい人たちは なんて月並みなんでしょう
好意みせびらかす人たちの なんと醜いことでしょう
雄弁家たちが なにか建設しようとしている
キモチワルイ キモチワルイ!

にごりににごった 密度の濃い空は
ぼくや 子供たちを 閉じ込める
ねえ 誰か
いちばんきれいなものを タダで見せて下さい・・・・


9. ゆうべおそく月の中に
ゆうべおそく月の中に 酒場が一軒できました
さあ 新しいともだちを さそって呑みにいきましょう

800ランプの歌には、酒が良く出てくる。酒で昂った感情の下で、人それぞれそれなりの物語が数々あるだろう。 800ランプも酒のように、心を酔わせてくれる。

あけっぱなしの ココロの中に 夜風が流れこむ
うっとりしはじめ ぼんやり 下界をみおろしているうちに
ぼくは酔いつぶれていつのまにやら また眠ってしまう・・・